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激しい暑さで眼を覚ました。何か夢を見ていたような気がする。
 「空、起きたのかい?」
 襖の向こう側から優しい声が聞こえる。 わっちは草薙空。とある理由で草雷寺と言うお寺にすんでおる。声の主はこのお寺の住職の偕玄法師。
「うむ、今起きたところでありんす。偕玄(かいげん)殿、わっちはまた夢を視たぞ」
「どのような夢でしたかな?」
 わっちは眼を閉じて夢を思い出そうとする。
「大きな爆発の中におって、わっちはどうやら戦いに出ていたような気がする。これはまた予知夢かの・・・?」 わっちは夢はあまり視ない。視るにしてもそれは、これから先に起こること、もしくはもう起こった出来事であることが多い。―しかし、今回はあまりにも生々しく、鮮烈な暗中の夢だった。
「はて、拙僧には解りかねることでございます。ですが、お気を付けください。どうやら戦乱が起こる気配が御座います」
この僧、普通ではないようだ。昔からすべてを知っているような話し方をする。――まぁ今は良い。
 「そうか。わっちに関係が無いとは言えんの・・・。そろそろ本家に呼ばれる気がする」
 本家から呼ばれるのはかなり癪だ。自分で追い出しておきながらどうせ、わっちの『力』が目当てなんじゃろう。 そのとき、外の方で人が叫んでいる声が聞こえた。なにやら、必死で。
 「ハァ、ハァ・・・。和尚さ~ん!帝国の偉い方がお見えになりにきますぜ!」
 その男はそれだけ言うと元来た道を走って下っていた。この寺、山の中腹に建っている。――大変だったろうになぁ。
 「空、着替えてきなさい。どうやら貴女への用のようです」
 「うむ、承知しておる」
 邪悪な笑みを浮かべてわっちはきっと言っておろう。

 「草薙空殿、貴公に日本帝国政府の特殊任務に付いて頂く」
「ほう、拒否したらどうなるんでありんす?」
 わっちは挑戦的に問う。
「拒否権はない。今から来てもらう」
 なかなか厳しいのぅ。
 「まぁ、そなた達のじゃれあいにわっちも参加してやろう」
 そういって前を進む男を見る。青い軍服に身を包んだ凛とした背中。
 「おぬし、名をなんと申すでありんす?」
わっちが問うと、振り返って男は微笑を浮かべながら、
「麻倉と、申します」
 「覚えておこう」
 日ノ本の運命はどうなるのか?わっちのようなものを表舞台にだして良いのか・・・。
 「さぁ、草薙中佐。いきますよ」
「わっちは最初から中佐かい?」
どうやら、本当に特務らしい。わっちの力がそれほどに必要なのだろうか? 付いていけばわかるであろう。
「・・・・おもしろいことになってきたでありんす」
わっちは、これから始まる哀しくはかない物語の幕開けとも知らずに。
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